代表 島村仗志の物語

島村社長

私は大手金融機関での勤務から社会人生活をスタートしました。銀行というところに育ててもらい鍛えていただけたことを、いまでも本当に感謝しています。社会人としてのイロハを叩きこんでいただきました。

日々厳しい規律の中、現場で非常に厳しい指導を受けながらも強く体感したことは、「人間が最も生産性が高い時というのは、自分のやりたいことを本気でやっている時なのだ」ということです。

そうした20代を過ごすうちにチャンスが巡ってきて、銀行からシンクタンクに出向し、ある業績の上がらない組織の経営改革にスタッフのひとりとして携わりました。
そこでの経営課題に対し、自分の日頃からの思い、「人は好きなこと、やりたいことをしている時がいちばん生産性が高い」という考えを反映させた経営管理のあり方を提案する機会に恵まれました。
結果としてその案が採用され、その組織の業績が好転するプロセスを目の当たりにするという貴重な体験をしたのです。
自分の仮説が実証されたという鮮烈な経験は、ビジネスパーソンとしての私の大きな出来事となりました。

病、そして運命的な出会い

自身の仮説をさらに確かめたくて30代に猛烈に勉強を始め、そこで出会ったのがコーチングです。書籍で勉強していたところに、CTIジャパンが日本で初めてコーアクティブ・コーチングの基礎コースを開催し、何かのご縁でその受講生となった、というのが私とCTIジャパンとの最初の出会いでした。

コースは全編英語だったこともあり、始めの頃は本当に難しかったです。英語は苦手でよくわからない、という自己紹介をしましたら、「わからなくてもいいから感じればいいよ」と言われたのがとても印象的でした。その最初のプログラムが終わると同時に、「ここのプログラムをすべて受講しよう」と決心したのが今では良い思い出です。
CTIジャパンの学びをビジネスパーソンとしての生活に生かしながら、おかげ様で自分の内面も穏やかに、しばらくは充実した日々を過ごしていました。

ところが、2003年に健康診断で、命にかかわるほどの病が発見されました。「このまま何があってもおかしくない」という診断を受けたのです。
それで、「あぁ、自分はすぐに死ぬかもしれない。残り少ない自分の命を何に使おうか」と、本当に真剣に悩みました。その最中、今でも日付まではっきりと覚えておりますが、2003年11月13日にCTIジャパンの経営陣から、「この会社の経営をあなたに託したい」という相談を持ちかけられたのです。

今から思うと、その時は命の宣告を受けた時期であったために、やはり若干自暴自棄になっていました。
大企業の部長職なら代わりは他にもいる、と思ったのです。それは必ずしも正しい考えというわけではなかったのですが、それがわかったのは後になってからのことです。

CTIジャパンという企業の経営者が不在になってしまうともはや立ち行かない、という現状を見て、CTIジャパンの素晴らしい知恵を多くの人に届け、後世まで残るように努めることが、自分の命の使い方として非常にしっくりきました。

人間観を世に広めたい

「“人は自ら答えを見つける力がある”という人間観を広めるために、CTIジャパンの経営に残りの命を使おう」という意思決定をして、翌2004年春に銀行を退職し4月にはCTIジャパンの代表の立場に転じました。
「もう死ぬかもしれない」と思いながら新しい席につきましたので、一日一日を本当に尊く感じながら過ごしていました。

それでも、たとえて言うなら、それまで3ナンバーの大型の車を運転していたような日々から、自転車で砂利道を走るような毎日へと、大きな環境の変化を感じました。とにかく銀行にはとても大事にしていただいていただけに、非常に不義理をしてしまったという罪悪感も感じていました。
「命にはかえられないことだから」という理解のもと、周囲の人々が自分を気持ちよく送り出してくださったことに感謝しながら、自分の選択で新しいステージに降り立ったという充実感も得ながら新鮮な時期を過ごしました。

そこからCTIジャパンの重要な経営課題に取り組みました。それまで個人の方の人生をコーチングで応援していたのを、組織にも適用していく仕組みを導入することに全力を注いだのです。それがシステムコーチング、CRRジャパンです。

さらに、コーアクティブ・コーチングというかたちの見えづらいアプローチを規格化してわかりやすくお届けする方法として、それに適したアセスメントを世界中から模索し続けました。
そしてとうとうTLCに出会いました。アセスメントとしてのご縁から始まりましたが、ツールというより哲学と呼ぶべき素晴らしい存在を取り入れられることとなりました。

このような経緯で、株式会社CTIジャパン、株式会社CRRジャパン、株式会社TLCジャパン、それを統括する株式会社ウエイクアップという4社を運営することになったのです。
その後、それぞれのブランドの良さを生かし相乗効果を得るために4社を経営統合し、新たに株式会社ウエイクアップとして現在に至っております。

その間、身体のほうは大丈夫だったのかと言いますと、こんなに生き続けるとは思っていませんでした。夜中に突然意味もなく全力で走り出してしまうこともありましたが、その頃はある意味自暴自棄だったこともあり、「心臓が止まるものなら止まってみろ」と思う気持ちもあったのです。こうして今日まで生きてこられていますが…

信じる経営を企業様へ

島村社長

私をここまで導いてきたCTIジャパンの大切な理念として、「NCRW(エヌ・シー・アール・ダブリュー)」というものがあります。
これは、”People are naturally creative, resourceful, and whole.”の頭文字をとったもので、日本語では「人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」と訳されます。

世の中には、いわゆる性善説と性悪説というものがありますが、人間観というのは面白いもので、誰もがどちらでも選べるのです。性善説で人を見ることもできるし、性悪説で見ることもできます。ただ、性悪説で自分に向き合う人と、性善説で自分に向き合ってくれる人、相手がどちらで見てくれている人なのかは、受けとめる側からすれば、如実にわかります。

この点において、「人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」という人間観を、残りの短い命の中で、どうしても次の人にバトンパスしたいと思って生きてきました。
この人間観がもっと自覚的に選択される世の中にしたい、そんな世界ができたら素晴らしい、という思いが私を支え、ここまで歩んでくることができたのです。

私が代表に就いたばかりの頃、クライアントとなられた外資系の大企業様が、この「人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」という人間観を取り入れてくださったことで、組織が劇的に変わり、そこに集まっている社員の方々が本当に楽なお気持ちになられた、という素晴らしい体験をご一緒することができました。

それまでその組織では、互いの状況を把握するための問いばかりを発していた状態だったのですが、私たちがお手伝いさせていただいてからは、問題に直面している社員の内面で何が起きているのかにまで目を向け、それをしっかりと受けとめた上で、「あなたはどう思うの?どうしたいの?」と心からかかわっていくという変化を遂げられたのです。

経営陣の方が、「ひと言でいって、本当に気持ちが楽になった。これでいいんだね」とおっしゃられたことが、今でも私の心に強く残っています。

また、私のことを信じて、企業様がそれまで耳にしたことのなかった導入間もないアプローチを、「あなたが言うなら試してみよう」と取り入れていただくことも続きました。信じてチャレンジしてくださった多くの企業様のご協力があって、今日のウエイクアップがあると思っております。今思い起こしても本当に感謝の念に堪えません。

こうしてたくさんの企業様から有難いご縁をいただいてきましたので、そのご恩返しの気持ちも込めて、今日まで深い思いを持って、私たちのサポートをご提供させていただいております。

「はたらく」とは「はたを楽にすること」

今改めて思うのは、企業の皆様おひとりおひとりが本当に真剣に懸命に生きていらっしゃる、ということです。その方々の現場に、ひとつでもウエイクアップの知恵をお届けできたらと思っています。

ここまで私自身が何度か、命の使い方を定めなければいけないほどの選択を迫られる体験をしてきたおかげで、私たちがこれまで培ってきた、人がより良く生きるためのコミュニケーションのスタイル、良い関係、正しい関係をつくること、そして意識の変化を呼び覚ますことを、ひとりでも多くの方に伝えたいという強い思いを持っています。

このように、知恵をお届けする地道なアプローチで、ご縁を大切にして企業様と伴走しておりますので、残念ながら、あまり多くのクライアント様にいっぺんにお伝えすることはできません。

単発の一過性の研修をパッとお届けしてパッといなくなる、というかかわり方ではないからです。長くご一緒して企業様の進化のプロセスにかかわり、二人三脚で伴走させていただいているのです。

例えるなら、企業様という田に、足を泥に浸けてご一緒に水を入れ、苗を植え、雨や日照りの心配をし、日々稲の成長を見守り、そして見事な稲穂の実りを共に讃え喜び合う。ウエイクアップとはそのような会社なのです。

企業様に、私たちのいわば栽培の知恵を分かち合いたいと思っています。土を耕すところから素晴らしいツヤツヤのお米ができるまでを寄り添って歩みます。

私は、「はたが楽になる」ことが「はたらく」ことだと思っています。たくさんのビジネスパーソンの方々に、「楽になった」と感じていただけるようなビジネス環境をご提供していくことが切なる願いです。

そして、ウエイクアップのミッション、「意識の進化を呼び覚まし、人やシステムが本来持っている可能性が拓かれた幸せな今と未来を創ります」という使命を胸に、ウエイクアップの仲間とともに、社会の進化を後押しするために精進してまいります。